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永島 圭介; 荘司 昭朗; 玉井 広史; 三浦 幸俊; 竹永 秀信; 前田 彦祐
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.208 - 212, 1995/04
被引用回数:10 パーセンタイル:69.2(Materials Science, Multidisciplinary)スクレイプオフ及びダイバータ領域におけるプラズマの諸特性解明は、将来の核融合炉へ向けての最重要課題の1つに挙げられる。JFT-2M装置では、静電プローブ測定を中心として、スクレイプオフ及びダイバータ領域における電子密度・温度の分布を評価し、この領域における粒子と熱バランスの解析をしている。この解析から、径方向(磁気面に垂直方向)の粒子及び熱拡散係数が評価できる。実験から求まった粒子及び熱拡散係数の値は、スクレイプオフ領域における電子密度と強い相関があり、密度の増加とともに減少することがわかった。また、この領域では熱輸送係数と粒子輸送係数の比が2程度であることを明らかにした。
内藤 磨; 池田 佳隆; 関 正美; 井手 俊介; 近藤 貴; 牛草 健吉
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.425 - 428, 1995/04
被引用回数:2 パーセンタイル:28.04(Materials Science, Multidisciplinary)トカマク型定常核融合炉を実現するためには、能動的なプラズマ電流分布の制御手段が不可欠である。低域混成波電流駆動は、現状では最も実績のある電流分布制御方法であるが、これを核融合炉で使用するためには、炉環境での熱負荷に耐えうる結合系の開発が必要である。本研究では、JT-60Uの大出力低域混成波実験において、結合系先端部の熱負荷の測定を行なった。その結果、熱負荷は入射電力、平均電子密度とともに増大し、4MW、210mの時には約0.1MW/mの熱流束があることが分った。これは結合系前面の電子密度の実測値から予想される熱流束の計算値と矛盾しない。このことから将来さらに高い周波数を採用した場合の熱流束も予想でき(8GHzで0.20.6MW/m)結合系の除熱可能性が大きいことが明らかとなった。
中村 和幸; 長瀬 昭仁*; 大楽 正幸; 秋場 真人; 荒木 政則; 奥村 義和
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.890 - 894, 1995/00
被引用回数:19 パーセンタイル:84.35(Materials Science, Multidisciplinary)50~100eVのエネルギー領域において、従来よりも10倍程度高い粒子束を有するイオン照射装置を開発し、それを用いてJT-60U等の大型トカマク装置で使用されている炭素基盤材料のスパッタリング収率を測定した。照射イオン種は水素、重水素およびヘリウム、加速電圧は150~450V(50~150eVのエネルギーに相当)、粒子束は最大で10/m/sである。スパッタリング収率測定用試料は、一次元及び二次元の炭素せん維強化複合材、等方性黒鉛、再付着炭素層、ほう化炭素である。実験の結果、1.210/mまでフルエンス依存性の見られないこと、50~150eVの範囲で穏やかなエネルギー依存性のあること、試料によって2倍程度のスパッタリング収率の違いがあること等が明らかとなった。
玉井 広史; 荘司 昭朗; 永島 圭介; 三浦 幸俊; 山内 俊彦; 小川 宏明; 川島 寿人; 松田 俊明; 森 雅博; 居田 克巳*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.365 - 369, 1995/00
被引用回数:17 パーセンタイル:82.2(Materials Science, Multidisciplinary)JFT-2Mトカマクにおける外部ヘリカル磁場の印加による密度限界の改善を、ヘリカル磁場と周辺プラズマの相互作用という観点から調べた。ヘリカル磁場を加えることによりプラズマ周辺部の放射損失が減少し、密度限界が最大30%増加した。密度限界付近での内部インダクタンスはヘリカル磁場の有無にかかわらずほぼ同じ値まで増加する。ヘリカル磁場を加えるとインダクタンスの増加が遅れるため、ヘリカル磁場のないときの限界を越えて密度を上げることができる。荷電交換再結合放射スペクトルを用いた分光測定によると、ヘリカル磁場を加えると正の径方向電場が形成されており、プラズマ周辺部での電子損失の増大と定性的に一致している。密度限界の改善は、この形成された電場が不純物イオンのプラズマ中への混入を防いで周辺部の放射損失を抑制し、内部インダクタンスの増加を抑えたことによると考えることができる。
東島 智*; 杉江 達夫; 久保 博孝; 辻 俊二; 嶋田 道也; 朝倉 伸幸; 細金 延幸; 河野 康則; 中村 博雄; 伊丹 潔; et al.
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.375 - 379, 1995/00
被引用回数:32 パーセンタイル:92.8(Materials Science, Multidisciplinary)不純物を減少させることは核融合炉実現には不可欠である。この観点からJT-60Uではデカボランを用いたボロナイゼーションを実施している。ボロナイゼーションを、導入することで、大気開放後直ちに不純物密度(特に酸素密度)を低下させることができた。しかし、他のコンディショニング法を用いて最終的に得られたプラズマの各不純物密度と比較すると、大幅に改善されたとは言い難い。一方粒子リサイクリングはボロナイゼーションにより明確に減少し、結果的にこれがプラズマの閉じ込め改善に寄与していると考えている。次回ボロナイゼーションを計画しており、本講演では不純物及び粒子リサイクリングに着目した解析を行い、今までのボロナイゼーションについてまとめる。
竹永 秀信*; 朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 辻 俊二; 嶋田 道也; 菊池 満; 内野 喜一郎*; 村岡 克紀*
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.429 - 432, 1995/00
被引用回数:20 パーセンタイル:85.38(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uにおいて、中性粒子輸送解析コードDEGASを用いて行った中性粒子挙動解析と、その結果を用いて行った粒子閉じ込め解析について発表する。JT-60Uでは、壁からのリサイクリングによる中性粒子は、その多くがメインプラズマに達するまでに電離してしまうために、粒子閉じ込め解析を行うには、メインプラズマへの中性粒子の侵入過程を定量的に評価する必要がある。DEGASコードで評価した真空容器内全体で電離する中性粒子の内、メインプラズマ内で電離する割合は、Lモードで4-8%、Hモードで30%程度である。両者の違いは、ダイバータ部の密度の違いに起因している。この結果を用いて評価した粒子閉じ込め時間は、Lモードでは密度の上昇と供に小さくなり、Hモードでは大きくなる傾向を示した。さらに粒子閉じ込めとエネルギー閉じ込めの関係について議論する。
逆井 章; 久保 博孝; 細金 延幸; 小出 芳彦; 東島 智*; 杉江 達夫; 清水 勝宏; 嶋田 道也; 辻 俊二
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.405 - 409, 1995/00
被引用回数:12 パーセンタイル:74.06(Materials Science, Multidisciplinary)ITER等の将来のトカマク型核融合炉では、D-T反応で生じるヘリウム灰の制御及び連続的な排出が重要課題となる。ITERでは、閉じ込め改善領域で設計が進められており、ELMのあるHモードはヘリウム灰の効果的な排出が期待でき、自己点火達成と長時間燃焼の観点から注目されている。そこで、JT-60Uにおいて閉じ込め改善度1.5-2.0のELMのあるHモードでヘリウムの輸送、振舞を調べた。ヘリウムビーム入射による中心補給及びヘリウムガスパフによる周辺補給の2通りの方法で、ELMのあるHモードとLモードの比較を行った。空間8chの荷電交換再結合分光法(CXRS)によりヘリウム密度の空間分布とその時間変化を実測し、ヘリウムの輸送係数を決定した。更に、ダイバータ部の分光計測からヘリウム粒子束と重水素粒子束を測定し、Hモード及びLモードにおけるこれらの粒子束とプラズマ中心のヘリウム濃度との関係を解明した。
正木 圭*; 安東 俊郎; 児玉 幸三; 新井 貴; 閨谷 譲; 芳野 隆治; 辻 俊二; 柳生 純一; 神永 敦嗣; 笹島 唯之; et al.
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.390 - 394, 1995/00
被引用回数:16 パーセンタイル:80.76(Materials Science, Multidisciplinary)最近のJT-60U実験では、高パワーNBI、LHRFの使用によりプラズマ壁相互作用が激しくなっている。昨年6月、ダイバータ近傍のCFC製第一壁タイルが破損した。この原因は、ディスラプション時のハロー電流による電磁力と考えられる。このタイルの破断に必要な荷重から推定すると、ハロー電流値は約20kAとなる。また、破損したタイルが放電中にポロイダル方向に高速で運動する現象が観測された。昨年8月には、ボルトの緩みにより、ダイバータタイル1枚が離脱し、7枚に深いエロージョンが確認された。昨年11月、ベータ線後方散乱測定法を用いて、ダイバータタイル表面の金属不純物量を測定した。その結果、一昨年と同じ測定部の表面に金属が多く残っており、エロージョンは主にタイルのエッジに集中していることが解った。また、1年間の運転の後でも炭化ボロン層が残っていることも確認された。
清水 勝宏; 久保 博孝; 滝塚 知典; 安積 正史; 嶋田 道也; 辻 俊二; 細金 延幸; 杉江 達夫; 逆井 章; 朝倉 伸幸; et al.
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.410 - 414, 1995/00
被引用回数:51 パーセンタイル:96.73(Materials Science, Multidisciplinary)ダイバータプラズマ中での不純物輸送の機構解明を目的として、モンテカルロ技法を用いた2次元不純物輸送コードを開発した。不純物の各電離状態の密度分布を求め、放射分布や可視線スペクトルの強度を計算し、測定データと比較する。ダイバータプレートや壁からの不純物の発生メカニズムや不純物のシールド効果、輸送について調べた。シミュレーションは、JT-60Uのダイバータプラズマ中の炭素不純物に対して行った。主プラズマ中での不純物の混入量は、nc/ne1.5%程度で、実験データの~2%と比較的良く一致している。イオンのthermal forceによって、発生不純物のうち20%が主プラズマへ混入する。このthermal forceがないとすると、電場や摩擦力によって、それは、1.5%程度である。不純物のシールド効果は、イオンの温度勾配に強く依存する事が明らかになった。
朝倉 伸幸; 伊丹 潔; 細金 延幸; 辻 俊二; 清水 勝行*; 久保 博孝; 杉江 達夫; 滝塚 知典; 嶋田 道也
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.395 - 399, 1995/00
被引用回数:33 パーセンタイル:93.13(Materials Science, Multidisciplinary)ITERなどの実験炉ではダイバータ板付の損耗を防ぐとともに粒子排気の観点から低温ダイバータの実現が要求され、粒子輸送機構の解明は重要課題である。JT-60Uでトロイダル磁場方向を反転し、イオンBドリフトがダイバータ板と反対方向を向けることにより、ダイバータ部での熱負荷分布の内外非対称を軽減するとともに、粒子および不純物リサイクリング制御を試みた。磁場反転時、高密度Lモード放電中で重水素, 炭素のリサイクリングが外側ダイバータ顕著になることが観測され、その結果、ダイバータ部の電子温度は内外セパラトリクス付近でほぼ対称で20eV程度まで減少する。熱流束分布についても均等分布に近づく。この現象により、SOLあるいはダイバータ部で粒子流束の方向が逆転する成分があることが示唆され、古典輸送によるモデルと定量的に比較する。また、遠隔放射冷却の効率とMARFE発生の過程も議論をおこなう。